○ごみ袋補助、一時預かり無料券事業 新潟県南魚沼市
1.事業の概要
合併で新市が誕生する前から実施されていた結婚祝、出産祝を見直し。
少子化対策としてより効果があり、喜んでもらえるものにしようと検討。
この制度の導入となった。
@ごみ袋補助。紙おむつなどで赤ちゃんのいる家庭は大量にゴミ袋を消費する
ことから。
A一時預かり利用無料券の支給。お母さんのお出かけや病気などの場合に
活用してもらう。
これにより、従来からの経費は削減できた。その分、子育て世代から要望の
多い経済支援として、乳幼児医療費助成の拡大、不妊治療費助成の創設、保
育料軽減に予算を回せることとなった。
なおこの事業の実現には同市議会公明党議員が尽力されたこともあり、視察
には議員自ら同席、説明をいただいた。
2.業務の実際
根拠規定は「ごみ袋・一時預かり利用無料券支給事業実施要綱」(H18)。
「ごみ袋・一時預かり利用無料券」というセットの形をしており、新生児1人について
1回支給。有効期限は3歳に達した次の年度末まで。
@ ごみ袋の支給実績(H21) 472件、決算で約130万円
30g袋なら70枚、20g袋なら110枚を支給。2500円相当で、概ね1年分。
A 一時預かり利用券実績(H21) 1971人が利用し、そのうち無料券利用は231枚
有料預かりの場合には1回1800円。市内8保育園で利用が可能。市内すべて
の保育園ではなく、地域にほぼ均一にちらばった8つの園。
3.感想
南魚沼市を訪問させていだこうと思った理由のひとつは、「子育て支援課」という
課があり、とてもスマートに業務を整理できているのではないかと、ホームページ
で調べ、印象を受けたことです。そこで今回、要保護児童対策地域協議会のこと、
ごみ袋・一時預かり利用無料券のこと以外に「子育て支援課の業務について」も
教えていただきたいと申し出ておきました。
子育て支援課は二つの班で編成。
○保育班 保育園全般のほか、学童保育つまり放課後児童保育も管轄。
子育て支援センターも管轄し、ファミサポセンター、ほのぼの広場
などを受け持っている
○こども家庭支援班 児童手当・子ども手当てほかの助成金の事務のほか、
相談業務を担当
丸亀市の場合、どのようになっているのか、勉強不足でたいへん申し訳ありませ
ん。しかし少なくとも、保育所と学童保育はひとつの課で行っていません。
私が再三提案している、生涯学習部門を教育委員会部門から市長部局に移す
ことをしない限り、これは実現しないのではないでしょうか。
いずれにしても、恵与いただいた課の業務の説明資料とともに、子どものできた
親に渡されるピンク色の冊子「南魚沼市子育てブック」を参考までに担当にご覧
いただこうと思っています。この冊子自体、経費をかけない簡便なものではありま
すが、知りたいことをすべて一冊で網羅しているような印象です。丸亀市の当局
の感想を、ぜひ聞かせてもらいます。
さて冒頭に書きましたとおり、南魚沼市の公明党議員が大変熱心に、子育て支援
の事業に取り組んで来られたことがよくわかりました。通常、行政側の担当者から
の事業の説明だけですが、ここではそれを提案したご本人が、制度の趣旨とねら
いを「熱く」、語ってくださいました。頭の下がる思いでした。
合併を機に、合併前の各市町が行っていた事業をあれもこれも盛り合わせれば、
それは合併のメリットどころか弊害を招くことになりかねません。出産祝い金など
のカットはよく踏み切られたものだと思いますが、時代や財政状況の変化を、誠実に
市民にご理解いただくことも、新しい時代を迎えるのに必要な市の責務だと思い
ました。同時に、「これなら以前よりもっといい」と喜んでいただける制度を、議会も
交え、行政が真摯に探求する姿勢も学ばせてもらいました。
常に時代の先を見て、前任者の実績の上に大胆に変化球も試みていく、それも
市役所の今日的な姿勢。議員としての私の姿勢も含め、学ぶところの多い研修で
ありました。